パフスペースの歴史
【誕生】
PA/F SPACE(パフスペース)は2003年4月1日、東京・早稲田の地に誕生した。この名前は、パフォーマンス・アーティストのイトー・ターリが、パフォーマンスアート(アート)とフェミニズムの交差する空間となることを願ってつけたものだ。最初、彼女自身の稽古場・表現の場として、またグループ活動の場として借りたこのスペースは、7年間という時間の蓄積の中で、アートとフェミニズムだけでなく、セクシュアル・マイノリティの活動の「場」としても育ってきた。
【パフナイト】
大きなきっかけは、2004年春から始まったPA/F NIGHT(パフナイト)である。毎月第一土曜の夜に開催されたパフナイトは、つな、ターリ、沢部、さときん、メイを中心に、「レズビアンの生き方を楽しみ、創造する空間」づくりをめざして、トーク・ショー、映画上映会、ミニ・コンサート、参加型イベントを提供した。ネットと口コミで宣伝し、お客は平均20〜35人。約41m2(25帖)のスペースに多いときには60人が集まった。現在までに開催回数は50回を超え、延べ1200人以上が訪れている。
パフナイトが、酒の力を借りなくても、直接顔を合わせて深い話をしたり、自分の思いや考えを安心して表現したりできる場でありつづけたのは、基本に女性がのびのびと生きられることを応援するレズビアン・フェミニズムの思想があったからである。
2006年11月には、スタッフの母親や友人など、身近な人たちをゲストに迎え、「本人からカムアウトされたときどう思ったか? 今後どういう関係を作っていきたいか?」をたずねた。異性愛が当然とされるこの社会では、同性愛者は可視化されることが少なく、カムアウトは簡単にはいかないが、カムアウトされる家族や友人も本人に劣らず大きな衝撃を受ける。その衝撃をどのように受け止め、互いの関係をよいものにしていくかは大きな課題だ。双方が時間をかけて理解し合うことの大切さを確認する第一歩であった。
この頃から、パフナイトスタッフにレズビアン以外のセクシュアルマイノリティ当事者やヘテロセクシュアルなども幅広く参加するようになり、互いの違いや同じ部分を発見し合う中から、「新たな豊かさを見出す」方向性へと発展し続けている。現在はakaboshiや遠藤まめたらが中心となり、「セクシュアルマイノリティ的な視点」を持っているからこそ感じられる楽しさを発見する場として不定期に開催している。セクシュアリティの多様さを掘り下げたり、トランスジェンダーとシスジェンダーの違いを意識したり、ヘテロセクシュアルと本音をぶつけ合ったり、イベント開催のテーマは多様化している。
【パフスクール】
パフスクールは2007年6月にスタート。遊びとイベントの要素が強い「パフナイト」から学びの要素を強めたものである。これまでに21の講座を開き、延べ250人の受講生を送り出してきた(2010年5月現在)。講座の一つ「『国』に意見する方法」からは、現在ロビー活動や社会活動を展開する「“共生社会をつくる” セクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク」が生まれた。また、当事者心理に詳しいカウンセラーを講師に招き、一般心理学では学べないセクシュアル・マイノリティのメンタルヘルスについて学んできた。最近は多様な世代とセクシュアリティの人たちが異種交流しつつ自他理解を深める「自分史ワークショップ」も進めている。
パフ☆カフェはセクシュアル・マイノリティ女性やトランスジェンダーの人がなごやかに集える場として、2010年1月から毎月一回開催されている。テーマトークを特に設けず、自由に話せて、つながれる場、情報交換の場である。毎回十数人が参加している。
パフスペースでは、セクシュアリティーフリーで活動する虹色ゴスペルシンガーズ、西洋美術史を学び楽しむパフアート、セクシュアルマイノリティ関連の映画を紹介するパフシネマ、フェミニストの映画を紹介する連連影展上映会、実験映画上映会、パフォーマンスアートや演劇の公演やワークショップ、食育の会や食事を共にする集まり、ゲイ文学談義、野口体操、ターリスタイル体操、ヨガなどなど多様な文化活動が行なわれ、生活を豊かにする出会いの場をつくってきた。そして、これらの活動の企画者たちはパフスペースの継続を願い、支えた担い手でもあった。
レンタルスペースとしてのパフスペースは経営が難しく、何度も危機的状況に陥った。2008年1月に浜田幹子が救世主のごとく現われて経営を肩代わりして、営業努力した。2010年4月からはTOKYOマイムシティが週の約半分を借りて家賃の約半分を負担してくれることになった。現在は会計:浜田、ブッキング、スペース管理:akaboshi、沢部、ターリ、HP管理:大曽根雅子が担当している。
パフスペースがこれまで続いてきたのは、安心できる固定的な「場」を利用者が愛しつづけてきたからであり、そこで生き生きとした活動が行なわれてきたからである。 (文責・沢部)
【運営スタッフ募集】
セクシュアルマイノリティが自分らしく暮らして行く知恵を学ぶ場、自分の思いを表現することが出来る場を作ることにエネルギーを傾けたいと思っている方を探しています。スペース運営に意欲を持っている方を探しています。
お問い合わせ:pafspace@gmail.com
パフスペース住所 〒162-0045
東京都新宿区馬場下町18フェニックスビル3F
アクセス 最寄り駅は、東京メトロ東西線早稲田駅。出口2か3bを出て、早稲田通りを高田馬場方向へ歩き、一つ目の交差点を左(文学部正門方向)
に曲がる。3軒目の1階にドコモがあるビルの3階。